COLUMN
貸している建物のリフォーム費用は、通常の維持管理や修理のためのものなら修繕費としてその年の必要経費にでき、使える期間を延ばす部分や価値を高める部分は資本的支出として減価償却で各年に分けます。
一つの計画で同じ資産に行う修理・改良が20万円未満か、実績などからおおむね3年以内の周期と明らかなら修繕費として申告でき、どちらかはっきりしない金額は、60万円未満か前年末の取得価額のおおむね10%以下なら修繕費にできます。
自分が住む家のリフォーム費用は、必要経費になりません。
この記事で扱うのは、個人が建物を貸して不動産所得を得ている場合に、その建物のリフォーム費用を所得税でどう扱うかです。国税庁のタックスアンサー(コード1379)「修繕費とならないものの判定」と所得税基本通達をもとに、修繕費と資本的支出の分け方と、金額で判定する基準を順に見ていきます。法人が持つ建物の扱いは扱いません。判定の順序は、同じページのフロー図でも確かめられます。
所得税法の第37条は、不動産所得などの必要経費を、その所得を生む業務について生じた費用と定めています。国税庁の(コード1370)「不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」も、必要経費にできるのは家事上の経費とはっきり区分できる費用だとして、主なものに貸している資産の修繕費と減価償却費を挙げています。自分が住む家のリフォーム費用は家事上の経費にあたり、所得税法の第45条により必要経費になりません。
この記事の判定は、すでに貸している建物の工事に当てはめ、貸し始める前の工事は対象にしません。修繕費と資本的支出を分ける所得税基本通達37-10と37-11は、業務に使われている固定資産の修理・改良を対象にしています。買った建物について、所得税法施行令の第126条は、購入の代価に加えて、その建物を業務に使うために直接かかった費用を取得価額に含めると定めています。中古の建物を買って入居者を募る前にリフォームするなら、修繕費の判定より先に、この取得価額の扱いにあたるかを確かめます。
建物の一部を貸して残りに住んでいるなど、費用が家事と貸付けの両方にかかわるときは、所得税法施行令の第96条と所得税基本通達45-1・45-2が扱いを決めています。費用のうち貸付けなどの業務に必要な部分が50%を超え、その部分を明らかに区分できるなら、その部分は必要経費にしない費用から外れます。通達45-2は、業務に必要な部分が50%以下でも、その部分を明らかに区分できれば、その部分の金額を必要経費にしてよいとしています。業務に必要な部分かどうかは、通達45-1により、業務や経費の内容、建物の利用状況などを総合して判定します。青色申告の承認を受けている人は、取引の記録などで業務に直接必要だったと明らかにできる部分も同じです。どの割合で分けるかはこの記事では扱いません。
国税庁によると、修繕費か資本的支出かは、修繕や改良といった呼び方ではなく、工事の中身で判定します。所得税法施行令の第181条は、業務に使う建物などに支出した金額のうち、使える期間を延ばす部分と価値を高める部分(両方にあたるときは、どちらか多いほうの金額)を、支出した年の必要経費に入れないと定めています。予定している工事が次のどれにあたるかを、一つずつ当てはめます。
建物の通常の維持管理のための費用と、災害などで傷んだ建物を元の状態に戻すための費用です。所得税基本通達37-11はこれらを修繕費とし、支出した年の必要経費になります。
所得税基本通達37-10は、原則として資本的支出になる例に、避難階段の取付けのように建物に物理的に付け加えた部分と、用途を変えるための模様替えなどの改造・改装の費用を挙げています。機械の部分品を特に品質や性能の高いものに取り替えたときの、通常の取替えの金額を超える部分も例に挙がっています。
同じ通達37-10の注は、建物の増築は建物などの取得にあたるとしています。
中身が資本的支出の例にあたる修理・改良でも、金額や周期によっては修繕費にできます。所得税基本通達37-12は、一つの計画で同じ固定資産に行う修理・改良が次のどちらかにあたり、その金額を修繕費として所得を計算して確定申告しているときは、それを認めるとしています。一つは、その修理・改良に要した金額が20万円に満たない場合です。もう一つは、その修理・改良がおおむね3年以内の周期で行われることが、これまでの実績などからみて明らかな場合です。工事を決めたら、この2つに順に当てはめ、どちらにもあたらなければ、上の中身の区分に沿って分けます。
一つの修理・改良の金額の中に、資本的支出か修繕費かはっきりしない金額があるときは、通達37-13の基準を見ます。その金額が60万円に満たないか、修理・改良をした固定資産の前年12月31日時点の取得価額のおおむね10%以下なら、修繕費として所得を計算して確定申告することが認められます。
ここでいう取得価額は、修理・改良をした建物などその資産そのものの取得価額です。土地を含めた購入代金の総額や今の時価で計算しないようにします。過去に資本的支出をしている場合の数え方などは、通達37-13の注に書かれているため、上の通達のページで確かめます。
通達37-12と37-13のどちらにもあたらないときは、通達37-14の特例を使えます。はっきりしない金額の30%と、その資産の前年12月31日時点の取得価額の10%とを比べ、少ないほうを修繕費、残りを資本的支出として所得を計算し、継続してその方法で確定申告していれば認められます。
工事の内訳と金額が分かる見積書や請求書を揃えてから当てはめ、一部を貸している建物の分け方や、建物を買った年の取得価額の当てはめを含めて迷う点は、国税庁の税についての相談窓口で確かめてください。コード1379は令和8年4月1日現在の法令等に基づいているため、申告の前に最新の内容も確かめます。
住宅の省エネリフォームを支援する国の補助制度は、「住宅省エネ2026キャンペーン」として、国土交通省・経済産業省・環境省が実施する複数の事業を組み合わせた仕組みになっています。このうち、窓など開口部の断熱改修は環境省の「先進的窓リノベ2026事業」、外壁・屋根天井・床などの断熱改修やエコ住宅設備の設置は国土交通省の「みらいエコ住宅2026事業」、エコキュートなど高効率給湯器への交換は経済産業省の「給湯省エネ2026事業」が、それぞれ対象としています。
制度の全体像や申請の流れは、補助金のページで整理しています。各事業の詳しい要件・対象製品・受付状況は、「住宅省エネ2026キャンペーン」の公式サイトと、各事業の公式サイトでご確認ください。賃貸集合住宅の給湯器の交換には、経済産業省が実施する「賃貸集合給湯省エネ2026事業」もあります。当社は制度のご案内・ご相談に対応しています。
※補助制度の情報は2026年10月11日時点のものです。金額・要件・受付期間は変更・終了する場合があるため、申請前に必ず公式情報をご確認ください。
全額をその年の必要経費にはできず、減価償却で各年に分けて必要経費にします。国税庁のコード2107によると、原則として、その資本的支出をした資産と種類と耐用年数が同じ資産を新しく取得したものとみなし、資本的支出の金額を取得価額にして減価償却します。
年ごとに判定します。所得税基本通達37-12は、一つの修理・改良が2年以上にわたって行われるときは、各年に支出した金額で20万円に満たないかを見るとしています。
その設備を構成する個々の資産ごとに数えます。所得税基本通達37-12の注によると、送配管のように一定の規模がないと働かないものは、働く最小の規模として合理的に区切った単位ごとに数えます。
料金シミュレーターの金額でそのままお引き受けする方針です。あとから追加費用が膨らみにくく、予算の見通しを立てやすくなります。
間取りから変えるリノベーションや用途を変えるコンバージョンにも、費用を抑えたまるごとリフォームにも、1箇所だけの部分リフォームにも対応します。今のお困りごとに必要な範囲だけのご依頼で問題ありません。
施工はリフォーム業歴15年・年間60〜80件の提携施工会社が担当し、マンション全面リノベーションで最短45日の実績があります。点検やご相談などのアフターフォローには期限を設けず、末永く対応します。
この記事は、名古屋を中心に愛知・岐阜・三重・長崎エリアのリフォームのご相談を承る窓口 K Renove Design が作成しました。施工は提携施工会社が担当します。